薄いグレーの背景に「フィリピン中央銀行が利上げした日に、ペソが過去最安値を更新した(10/22)」というタイトルと、右下がりの赤い折れ線

フィリピン中央銀行が利上げした日に、ペソが過去最安値を更新した(10/22)

私は日本の会社からリモートで仕事を受けていて、収入は円、生活はフィリピンのペソです。なので、毎朝いちばん気になる数字は円とペソのレートです。10月22日は、そのレートがおかしな動き方をした日でした。

利上げの日

10月22日、BSP(フィリピン中央銀行)が政策金利(中央銀行が決める基準の金利)を0.5ポイント上げて、5.5%にしました。市場の予想より大きな利上げだったそうです。

普通、金利を上げるとその国の通貨は買われやすくなります。物価が上がっている今のフィリピンにとって、ペソ安を止めるのにも効くはずの一手でした。

それでもペソは過去最安値

ところが、その日のペソは1ドル=63.52ペソで引けて、過去最安値を更新しました。取引中には63.545まで下がっています(Inquirer)。前の日に付けたばかりの最安値を、また塗り替えた形です。

記事によると、理由は大きく2つです。

0.5ポイントの利上げでも、ドル高の流れは止まらなかったということです。

同じ日、円は逆に買われていました。AI関連株が売られてリスクを避ける動きが強まり、安全な通貨とされる円が買われたことに加え、アメリカの金利が下がって日米の金利差が縮んだことが背景だそうです(FXStreet)。ECB(欧州中央銀行)の参照レートで見ると、10月22日は1万円=₱4,044(1円=₱0.4044)で、ここ1か月でいちばん円が強い水準でした(Frankfurter/ECB)。1か月前の9月22日は1万円=₱3,974だったので、同じ1万円で₱70ほど多くペソに換えられる計算です。

円で稼いでペソで暮らす身としては、ペソ安と円高が同時に来たこの日は、両替にはありがたい日でした。

でも、物価は上がっている

喜んでばかりもいられません。PSA(フィリピン統計庁)によると、9月のCPI(消費者物価指数)は前年同月比で+7.2%、米は+20.3%でした(PSA)。

ペソ安は輸入に頼るものの値段にそのまま響きます。

円で受け取ってペソに換える立場だと、ペソ安は手取りが増えるぶん得をします。ただ、ペソ安はこちらの物価を押し上げる原因にもなっていて、私もこちらで米を買い、電気を使って暮らしています。円が強い日に両替できたからといって、手放しでは喜べません。

得した分の行き先

中央銀行が通貨を守ろうと利上げした日に、そのペソが過去最安値を付け、得をしたのは円で稼いでいる私でした。1万円あたり1か月前より₱70多く手に入った計算ですが、Meralcoの値上げ理由の欄にもペソ安と書いてあります。200kWh使う家庭なら、そのうち₱64は電気代として、ちゃんとMeralcoに戻っていきます。