SaaSは死ぬ前に頭を失う
SaaSは3年以内に消えるという予言が、Xで話題です。私もSaaSは消えると思います。ただ、消え方と、それまで生き延びる理由については、私なりの見方があります。
3年以内に消えるという予言
Xのニュースのまとめによると、起業家のアレックス・ベッカー氏は、誰にでも同じ形で提供するSaaS(インターネット越しに月額などで使うソフトウェアのサービス)は衰退しつつあり、会社ごとに作るカスタムソフトウェアが主流になると言っています。誰にでも同じUI(操作画面)を売る会社は、3年以内に消えるとまで警告しています。
私の実感も同じ向きです。新しいサービスを契約するとき、最近はほとんどSaaSを選びません。自分で実装したほうが早いからです。
機能を足すだけならSaaSが早い
ただ、正直に言うと、もっと大きいのはエンジニアの価値観の違いです。実装と、そのコストをどう捉えているかの違いです。
機能を足すこと自体は、SaaSを導入したほうが圧倒的に早いです。ところが、仕様がよく変わるソフトウェアに融通の利かないものを持ち込むと、そこに依存することになります。そして、SaaSに合わせて何かをねじ曲げるような美しくない仕組みが、周りに育っていきます。
SaaSを選び続けるエンジニア
これが見えないエンジニアは、これまでどおり気軽にSaaSを導入し続けるでしょう。運用コストや二次開発(導入したものの上に、あとから機能を足したり作り直したりする開発)のコストを、正しく見積もれないからです。
こういうエンジニアがいる限りSaaSは死なない、と言いたいところです。しかし、ほかのエンジニアが止めに入るようになれば、その文化はすぐに廃れます。
まずは画面から消える
SaaSが消えるとしても、最初はヘッドレスになるだけです。画面を持たず、API(プログラムから機能を呼び出す仕組み)だけを提供する形です。
今まで、OSS(ソースコードが公開され、誰でも使えるソフトウェア)はライブラリや機能の単位でした。これからは、今までのSaaSをまるごと置き換える単位のOSSが、当たり前のように出てきます。そのほとんども、おそらくヘッドレスです。自分のアプリに組み込むなら、GUI(ボタンなどで操作する見た目の部分)は邪魔でしかありません。
次に、APIで呼ぶだけになったSaaSが、少しずつ自分たちのサービスに取り込まれていきます。そして依存がゼロになったとき、そのSaaSは消えます。
SaaSの延命は、二次開発と運用コストを見抜けないエンジニアが起こしていますが、時間の問題です。