# 1日240円で"貧困ではない"国。物価は東京の6割、ペソは弱く、政府の基準は狂っている

> フィリピンの貧困ラインは1人1日約240円（₱96）で、物価は東京の6割まで上がっています。公式の貧困率は過去最低の9.7%なのに、自分を貧しいと答える家族は55%です。最低賃金、議員の基本給、洪水対策費の不正疑惑と並べて、政府の基準を考えました。

- Published: 2026-10-30
- URL: https://abalol.xyz/posts/ph-poverty-line/
- Language: ja
- Tags: philippines, life, economy, poverty, politics
- Author: Tomohiro Owada
- Site: Tomo's Diary (https://abalol.xyz/llms.txt)

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私はフィリピンのラスピニャスで暮らす、AIエンジニアです。収入は日本円で、支払いはペソです。

円で稼いでペソで使う身には、この国の物価がよく見えます。もう「安い国」とは呼べません。

## マニラの物価は、東京の6割

[Numbeo](https://www.numbeo.com/cost-of-living/rankings_current.jsp)（利用者の投稿で世界の物価を集めたサイト）の2026年10月の値では、マニラの生活費は東京の63%です。家賃を除いた数字です。

ただし利用者の投稿が元なので、あくまで目安です。マニラの投稿者は過去12か月で76人でした。

食料品は65%、外食は69%、家賃は59%でした。半値より高く、およそ6割です。

世界銀行の2025年のデータでも、国全体の物価水準は日本の約51%です。安いけれど、極端に安いわけではありません。

![東京とマニラの物価と購買力の比較](https://abalol.xyz/images/posts/ph-poverty-line/compare-tokyo-manila-ja.png)

「物価が安いから、お金が余る国」という見方は、もう古いと私は感じています。

## ペソは弱く、暮らしは重い

ペソも弱くなりました。1ドルは2025年の平均で57.5ペソでしたが、いまは63.8ペソです。

[ビッグマック指数](https://github.com/TheEconomist/big-mac-data)（同じ商品の値段で通貨の強さを比べる指標）の2026年7月の値でも、ペソは円より割安でした。日本は500円、フィリピンは約420円です。ドルに直すと、3.08ドルと2.74ドルです。

それなのに、暮らしは軽くなっていません。9月の[物価上昇率](https://www.gmanetwork.com/news/money/economy/1004884/inflation-snaps-four-month-easing-accelerates-to-7-2-in-september-2026/story/)は[日本が2.1%](https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf)、フィリピンは7.2%です。

とくに上がったのは、交通費の14.6%と、住居と光熱費の8.4%です。食品も6.7%上がりました。

物価が6割でも、現地の収入で買える量は東京の約27%にとどまります。円の収入がある私は、その外側にいます。

## 1日240円で「貧困ではない」

では、政府は貧困をどう測っているのでしょう。PSA（フィリピン統計庁）の[2025年の貧困ライン](https://www.gmanetwork.com/news/money/economy/999468/is-your-family-earning-below-p14-634-a-month-here-s-what-psa-says-about-poverty-line/story/)は、5人家族で月約3万6千円です。

1人1日にすると約240円です。ビッグマック1個の値段にも届きません。

この基準で、貧困率は過去最低の9.7%（家族では6.4%）になりました。貧困層とされる人は2023年の1,750万人から2025年の1,100万人に減っています。

ところが、人々の実感は逆です。SWS（民間の世論調査機関）の[2026年9月の調査](https://sws.org.ph/wp-content/uploads/2026/10/pr20261013-SWR-2026-III-Self-Rated-Poverty-and-Food-Poverty-media-release.pdf)では、55%の家族が自分を貧しいと答えています。

公式の家族の貧困率6.4%とは8倍以上の開きです。

OCTA（別の調査会社）の[7月の調査](https://www.gmanetwork.com/news/topstories/nation/999186/octa-self-rated-poverty-hunger-rise-in-q2-2026/story/)でも39%です。食べ物が貧しいと答えた家族は44%、飢えを経験した家族は22.6%でした。

シンクタンクの[IBON](https://www.ibon.org/en/official-poverty-figures-discount-millions-of-poor-filipinos/)はこの基準を「非現実的に低い」と批判しました。

![公式の貧困率、最低賃金、人々の答えの比較](https://abalol.xyz/images/posts/ph-poverty-line/poverty-line-vs-wage-ja.png)

最低賃金と並べると、基準の低さがよくわかります。首都圏の[最低賃金](https://nwpc.dole.gov.ph/ncr/)は9月26日から日給約1,870円です。

時給にすると約230円で、1時間働けば、1人の1日分の貧困ラインに届きます。

最低賃金で働く人が1人いて、月に26日働けば約4万9千円です。それだけで5人家族は統計上「貧困ではない」ことになります。

## ものさしを握る人たちの月給

この貧困ラインは、法律に基づいて経済計画開発省がPSAを通じて決める数字です。その政府の側にいる国会議員の[基本給](https://rollingstonephilippines.com/state-of-affairs/philippine-politics/how-much-is-senators-salary/)は、月約73万円からです。

貧困ライン20家族分で、最低賃金で働く人の月収の約15倍です。手当は含みません。

資産も桁が違います。上院議員24人の[申告資産](https://www.gmanetwork.com/news/topstories/nation/964171/saln-senators-all-24/story/)（SALN、公務員の財産公開書類）は、最も少ない人でも約4,700万円です。最も多い人は約31億円でした。

![議員の基本給と貧困ラインの比較](https://abalol.xyz/images/posts/ph-poverty-line/salary-vs-poverty-ja.png)

その国で、2025年に洪水対策事業の不正が明るみに出ました。きっかけは死者も出た豪雨と洪水でした。

9月21日にはマニラで大規模な抗議デモ「[Trillion Peso March](https://www.philstar.com/headlines/2025/09/21/2474418/impyerno-students-retirees-thousands-rage-ghost-projects-luneta-rally)」が開かれています。

マニラ市の発表では、ルネタ公園だけで少なくとも4万9千人が集まりました。

2022年以降の洪水対策費は約1.3兆円です。そのうち、存在しない「幽霊事業」や手抜き工事の疑いが指摘されています。

マルコス大統領はこの予算のうち約2,500億円を、わずか15社の建設業者が握っていたと述べました。

財務省は[経済の損失](https://bworldonline.com/top-stories/2025/09/03/695380/economic-losses-from-anomalous-flood-control-projects-likely-hit-up-to-p119-billion-recto-says/)を最大で約2,900億円と見積もりました。公共工事が止まった影響で、2025年の成長率も[約1.1ポイント下がった](https://filipinotimes.net/latest-news/2026/01/30/flood-control-scandal-slowed-2025-growth-depdev-says/)と、経済計画開発省は説明しています。

大統領は[独立調査委員会（ICI）](https://www.reuters.com/sustainability/philippines-forms-independent-body-probe-anomalies-infrastructure-projects-2025-09-11/)を設け、調査を命じました。委員会は2026年3月で活動を終えています。

オンブズマン（汚職を訴追する政府機関）は、2026年10月までに[39件を起訴](https://newsinfo.inquirer.net/2322447/ombudsman-report-39-flood-mess-cases-filed)しています。被告52人には、上院議員と下院議員が含まれます。

現職の上院議員1人は約14億円の見返りを受け取った疑いで[起訴](https://www.philstar.com/headlines/2026/09/03/2553752/jinggoy-estrada-enters-not-guilty-plea-flood-control-related-plunder-graft-charges)されました。本人は疑惑を否定しています。

起訴状によると、前下院議長ら2人は、少なくとも約184億円の見返りを受け取った疑いです。有罪は確定していません。

1日240円を「貧困ではない」と数える国で、議員の基本給は月73万円からです。

狂っているのは目盛りより先に、ものさしを握る人の金銭感覚ではないか、と私は思います。

